胸・背中・腰

Chest・Back・Waist

疾患一覧

  • 背中(背部)の痛み

    背中の筋肉のこりや痛み

    背中の痛みの大きな原因の一つとして、背中の筋肉の疲労・筋肉痛が挙げられます。 背中の筋肉に負担をかける主な原因には、「過度の運動または運動不足」「肩・背中・腰回りの筋力不足」「姿勢の悪さ・長時間同じ姿勢を続ける」「腰痛」「肩こり」「背中の冷え」などがあります。

    背中(背部)の痛みが生じる箇所
  • 肋骨の疲労骨折

    肋骨の痛み

    肋骨の疲労骨折は上部と下部で異なりますが、下部肋骨の疲労骨折は主に体幹のひねり動作などで起こります。ゴルフややり投げ、体操競技に多い疲労骨折です。また咳のしすぎで生じる場合もあります。上部肋骨、特に第一肋骨の疲労骨折はウェイトリフティングやベンチプレスなどのウェイトトレーニングでも生じることがあります。

    肋骨の疲労骨折が生じる箇所
  • 筋筋膜性腰痛症(筋・筋膜性腰痛症)

    z

    腰の筋肉の過剰な緊張や、筋膜(筋肉を包む膜)の損傷により起こる腰痛

    筋筋膜性腰痛症とは、腰の筋肉の過剰な緊張や、筋膜(筋肉を包む膜)の損傷により起こる腰痛のことで、筋・筋膜性腰痛症とも書きます。主原因は、長時間の無理な姿勢や、スポーツなどによる急激な腰への負荷であり、骨や関節には異常が見られません。一般的な腰痛の症状のうち約8割は、この筋筋膜性腰痛症(筋・筋膜性腰痛症)によるものと言われています。

  • 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

    腰から下肢にかけて痛みやしびれ

    首から腰までの背骨(脊椎)には、脊柱管と呼ばれる脳から体へとつながる神経の通り道があります。直径1~2cmのホースのような管が、頭から出て首の真ん中を通り、背中から腰まで届いています。そして、そこから枝が生えるように手足へ神経が伸びています。 腰部脊柱管狭窄症とは、下記でご紹介する、腰椎椎間板ヘルニア(3)、変形性脊椎症(4)、腰椎すべり症(5)などの病気が原因で、背骨(脊椎)の中を通っている脊柱管内の神経が圧迫され、腰から下肢にかけて痛みやしびれを引き起こす病気です。

    腰部脊柱管狭窄症のイラスト
  • 腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア)

    腰痛、お尻から足にかけて痛みやしびれ

    間板とは、背骨(脊椎)の椎体(ついたい)と椎体の間にあるパーツで、衝撃を吸収するクッション材の役割をしています。椎間板の内部には柔らかいゼリー状の髄核(ずいかく)があり、その髄核が外に飛び出して、背骨(脊椎)の中を通っている脊柱管内の神経を圧迫することにより腰に痛みを発生させます。これが腰椎椎間板ヘルニアです。 主な症状としては、腰痛の他に、お尻から足にかけて痛みやしびれが広がり、力が入りにくくなります(いわゆる坐骨神経痛)。
    腰椎椎間板ヘルニアは、悪い姿勢での動作や作業、喫煙などにより起こりやすくなるとも言われています。

    腰椎椎間板ヘルニアのイラスト
  • 変形性脊椎症(変形性腰椎症)

    腰の痛み、お尻の痛み、脚の痛みやしびれ

    変形性脊椎症(変形性腰椎症)とは、主に背骨(脊椎)の加齢的な変化により、椎間板が変形して突出したり、骨棘(こつきょく)というトゲのような骨が形成されたりすることにより、背骨(脊椎)の中を通っている脊柱管内の神経を圧迫し、腰の痛み、お尻の痛み、脚の痛みやしびれを引き起こします。これが変形性脊椎症(変形性腰椎症)です。

    変形性脊椎症(変形性腰椎症)のイラスト
  • 脊椎分離症(腰椎分離症)・腰椎すべり症

    腰の痛み、お尻の痛み、脚の痛みやしびれ

    脊椎分離症(腰椎分離症)とは、背骨(脊椎)の前側にある椎体と、後ろ側の椎弓とをつなぐ細い椎弓峡部(ついきゅうきょうぶ)に疲労骨折が起こり、椎体と椎弓が離れてしまう症状のことを言います。
    分離症により可動性が増すと分離した上下の椎体が徐々に前後にずれてしまう「腰椎分離すべり症」に移行する場合もあります。
    分離症や分離すべり症は骨が成熟していない成長期の子供が、スポーツ等により、伸展と回旋をくりかえすような動きによって腰に過度な負荷が生じ発症します。
    一方、中高年以降で筋力低下や使いすぎが原因で椎間板や椎間関節がすり減って痛んでしまい前後に滑ってしまうものを「変性すべり症」と言います。この場合は分離症は伴いません。
    このようなすべり症では、脊柱管がずれてしまうことが原因で、背骨(脊椎)の中を通っている脊柱管内の神経が圧迫され、腰の痛み、お尻の痛み、脚の痛みやしびれが引き起こされる場合があります。

    脊椎分離症(腰椎分離症)・腰椎すべり症のイラスト
  • 腰椎椎間関節症

    椎間関節に痛み

    腰椎の上下の骨は椎間板と左右の椎間関節によって連結されています。椎間関節は腰を動かす役割をしています。腰椎椎間関節症とは、椎間関節に痛みが起こる病気です。
    原因は、主に腰椎を過剰に曲げたり反ったりすることで椎間関節を痛めてしまう場合と、日常生活での悪い姿勢により椎間関節に負担がかかり痛めてしまう場合があります。特に体重増加で腰椎が後ろに反っている人や普段の姿勢で腰が反っている人は椎間関節に負担がかかりやすく、腰椎椎間関節症になりやすいと言われています。急性に椎間関節を捻って炎症を起こすとぎっくり腰になります。

  • ぎっくり腰

    突発性の腰痛

    ぎっくり腰は、腰部に疲労が溜まり堅くなった状態で、ちょっとした無理な動作が引き金となって起こる突発性の腰痛の総称です。
    画像では明らかな変化を特定できないことが多いのですが、微細な椎間板の損傷や椎間関節の損傷によって起きている場合もあるので注意が必要です。
    通常、初回のぎっくり腰は10日から2週間程度で痛みが取れますが、それは痛みが取れただけであり根本原因は治っていないことが多くあります。そういったケースでは、その後1年から数年に一度の割合でぎっくり腰を繰り返し、やがて椎間板ヘルニアなどに重症化する場合があります。

主な症状

スポーツでの症状

  • ジムで運動をする女性

    肋骨の疲労骨折

    主に体幹のひねり動作などで起こります。ゴルフややり投げ、体操競技に多い疲労骨折です。

    詳細記事
  • 運動をする女性

    腰椎分離症

    多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。

    詳細記事

日常生活での症状

  • 背中を痛がる男性

    背中(背部)の痛み

    過度の運動または運動不足、背部の筋力不足、悪姿勢などから背中の筋肉の疲労・筋肉痛になります。

    詳細記事
  • 腰を痛がる女性

    腰痛

    重労働や同じ姿勢、過度な運動や筋力の衰えによって、腰椎や周りの組織に負担がかかることで発症します。

    詳細記事

治療方法

標準的な治療をご希望の方向け
保険適用内

  • 装具の装着

    急性期や成長期の腰痛では原因によって装具などの装着が必要な場合もあります。

    腰の装具をつける女性
  • 高周波温熱治療、超音波治療

    強い腰痛の場合は薬や物理療法(高周波温熱治療や超音波治療)で患部の炎症を抑えることが必要な場合もあります。

    高周波温熱治療・超音波治療中の女性
  • 理学療法士が行う
    リハビリテーション

    痛みがある程度落ち着いていて、リハビリの適応があると診断された場合、理学療法士が腰の痛みを発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分に対して運動器リハビリテーションを行います。併せて、普段心掛けることや自主エクササイズの方法をご提案させていただきます。

    リハビリをしている様子

先進医療での治療をご希望の方向け
保険適用外

  • 筋膜(Fascia)リリース

    背中の痛みの多くは、悪姿勢や同じ姿勢の継続などで、背中の筋膜(Fascia)が脱水状態となり、組織の柔軟性や機能が低下して痛みを発することに起因しています。これらの筋膜の機能低下による痛みには筋膜(Fascia)リリースがお勧めです。
    筋膜とは筋肉や腱、骨、内臓など体全体を包み込む薄い組織膜のことで、この筋膜の癒着や滑走性が悪くなることにより、背中(背部)のコリや痛みを招き、筋肉の柔軟性やスムーズな動きを損なう原因になっています。
    筋膜リリースとは、この筋膜の癒着や滑走性を正常な状態に戻すことを言います。筋膜をリリースすることにより、通常のマッサージやストレッチでは取ることができなかったコリ、痛みを改善することが期待できます。
    筋膜をリリースする方法は様々ですが、当院では主に以下3つの方法を用いて筋膜リリースを行っています。患者様の背中(背部)の状態やご希望に応じて、最適な治療法をご提案させていただきます。

    1.セラピストによるハンドトリートメント
    背中(背部)の痛みに対して、理学療法士が、身体の状態を評価し、痛みの原因となっている筋膜をリリースいたします。

    ハンドトリートメントの様子

    2.高周波治療器による筋膜リリース
    当院では高周波治療器に筋膜リリース用のエレクトロードを装着し、高周波治療器による筋膜リリースを行います。高周波治療器は電磁波エネルギーによる高周波温熱機器で、筋膜リリースを行う為の最新RES(レシスティブ)ツールになります。

    高周波治療器による筋膜リリースの様子

    3.生食(ハイドロ)リリース
    医師が超音波画像検査を用いながら、痛みの原因となっている筋膜部分に生理的食塩水を注射します(生食(ハイドロ)リリース注射)。これを打つことで、背中(背部)の癒着した筋膜に十分な水分を与える(リリースする)治療法です。エコーを使用して癒着の原因となっている筋膜に正確に注射をいたします。

    生食(ハイドロ)リリースの様子
  • メディカルピラティス

    悪姿勢や筋力不足などから来る痛みに対してピラティスを導入することによって、リハビリ時間の短縮と筋力強化が期待できます。ピラティスは、もともとリハビリ用に開発され、解剖学を基に作られたエクササイズです。怪我をした人や高齢者でも余分な負担をかけずに、姿勢を保つ筋肉を鍛えられるように作られています。ピラティスは体全体の内側の筋肉(インナーマッスル)を鍛えバランスを整えることで、体のゆがみを直し、体幹が鍛えられ、きれいな姿勢を保てるようになります。結果、背中(背部)の痛みに対して大きな効果が期待できます。
    当院では、疾患をよく理解しリハビリに精通した理学療法士資格と、ピラティスのリハビリコースのフル認定(マット・リフォーマー・コンプリヘンシブ)を取得した、ダブルライセンスの施術者が担当するため、ピラティスを通して、リハビリと体づくりを同時に行うことができるのが特徴です。

    メディカルピラティスの様子
  • 超音波骨折治療「LIPUS(アクセラス2)」(※一部保険適用あり)

    当院では、疲労骨折に対して、超音波骨折治療法「LIPUS(アクセラス2)」を導入しています。骨折の治療期間が4割ほど短縮できたとの学術データもある先進医療の一つです。この治療法は、サッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも知られています。

    超音波骨折治療「LIPUS(アクセラス2)」
  • 体外衝撃波療法

    体外衝撃波療法も行っています。衝撃波を患部(肘)に照射することで除痛効果が期待できる、整形外科領域では新しい治療法になります。

    体外衝撃波療法の機器
  • TENEX

    TENEX TX®は、超音波エコーガイド下小切開手術での使用を念頭に開発・設計された超音波吸引装置です。
    痛みの原因となっている腱の変性部を選択的に破砕・乳化・吸引を行うことで治癒を促進し、健常組織への影響を最小限に抑えながら、筋・骨格機能の回復が期待できます。また、従来の外科的手術と比較して、回復時間も短く、より早く日常生活に復帰することも期待できます。

    TENEXの機器