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腰や骨盤の痛み(腹直筋離開)

DRA Diastasis Rectus Abdominis

腰や骨盤の痛み(腹直筋離開)

妊娠後期から急激にお腹が膨らんでいく間に、お腹の真ん中にある筋肉‘’腹直筋‘’が徐々に左右に広がっていき、最後には白線といわれる腹直筋の真ん中を縦に走行する線が引き伸ばされ、腹直筋が左右には離れてしまう状態です。腹直筋が離開していれば、お腹が十分に内臓を支えきれない状態となり、体幹が不安定になるために腰痛や肩コリとなり、腹筋が働かないためにポッコリお腹の原因にもなります。

妊娠中のお腹をさする女性
  • 腹直筋離開のメカニズム

    体幹の安定性は前方から側方では腹部の筋肉群が壁を作り、上は横隔膜、下は骨盤底筋、後ろは腰背部の多裂筋や脊椎などでサポートされることで保たれています。
    妊娠時に赤ちゃんが大きくなるにつれ、前方にある腹直筋が大きく引き伸ばされて、中央の白線という組織が伸びて、左右の腹直筋が離開してしまう場合があります。(図)

    腹直筋離開は妊娠35週では100%生じ、産後6ヶ月では35-39%に残存すると言われています。但し腹直筋離開の大きさも程度も人によって様々で、身体機能にさほど悪影響を及ぼさないケースもあれば、お腹がポッコリとして見た目が悪いだけでなく、腰痛、骨盤の痛み、尿漏れなどのトラブルにつながるケースもあります。また、腹筋を強くしようと自己流の腹筋運動をすると効果が低いばかりか、かえって離開した腹直筋に悪影響を及ぼすこともあります。だからこそ体幹の前方にしっかりとした壁を作り直す適切なエクササイズが必要になります。

    当クリニックでは産後の腰痛や骨盤帯の痛みのある方には腹直筋離開の有無を超音波検査で確認し、専門スタッフが腹直筋離開の程度や体力、年齢に応じた、エビデンスに基づいた適切な運動療法を指導致します。

    腹直筋離開のメカニズムのイラスト