ダイエット

Diet

ダイエット(肥満・肥満症・メタボ対策等)

当クリニックの理念「健康であることは美しい」は、体型管理(体脂肪、体重、筋肉量)にも及びます。 その人に合ったダイエット(肥満・肥満症・メタボ対策等)と、美ボディ作りを並行して行うことがベストと考えています。 また、アスリートにとっても、適切な体型管理は、ケガの予防や疲れにくい体作りに繋がるため、とても重要と言えます。

  • 肥満・肥満症とは?

    肥満とは、身体に体脂肪(脂肪)が過剰に蓄積した状態を言います。そして、肥満症とは、医学的に治療(減量)を必要とする症状のことを言い、疾患として扱われます。近年、日本の食生活の欧米化や運動不足から、肥満(肥満症)になる方が急増しています。肥満(肥満症)は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病をはじめとした多くの病気の原因となるため、見た目と共に、健康作りにおいても肥満(肥満症)の予防・対策は重要な位置づけを持っています。

    一般的に人間の体(骨、筋肉、内臓など)は20代で成熟し、それ以降はあまり変化しないと考えられています。つまり、30代以降に体重が増加した場合、その中身は、ほぼ脂肪ということになります。
    では、どの位の脂肪が付いたら肥満(肥満症)となるのでしょうか?

  • 肥満度チェック(BMI)

    まず一般的に、肥満(肥満症)の判定には、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)という計算式が用いられます。
    右記が肥満度をチェックするためのBMI計算式になります。
    ※体重のみにフォーカスした視点で考えられた指標

    BMIの計算式

    日本では、標準BMIは男女共に22.0とされています。これは統計上、肥満(肥満症)との関連性が高いとされる生活習慣病に、最もかかりにくいとされる数値(最も病気になりにくく、健康で長生きできる体重)であることが理由です。

    また、日本肥満学会が定めた基準では、BMI値が、18.5未満を低体重、18.5以上~25未満を普通体重、25以上を肥満とし、肥満はその度合いによって肥満(1度)~肥満(4度)に分類されます(下表参照)。

    < 肥満度分類表 >

    ※日本肥満学会及び厚生労働省e-ヘルスネットより

    BMI(kg/m2) 判定 WHO基準
    < 18.5 低体重 Underweight
    18.5 ≦ BMI < 25.0 普通体重 Normal range
    25.0 ≦ BMI < 30.0 肥満(1度) Pre-obese
    30.0 ≦ BMI < 35.0 肥満(2度) Obese class I
    35.0 ≦ BMI < 40.0 肥満(3度) Obese class II
    40.0 ≦ BMI 肥満(4度) Obese class III

    ※ただし、肥満(BMI ≧ 25.0)は、医学的に減量を要する状態とは限らない。
    ※BMI ≧ 35.0を高度肥満と定義する。

    例えば、Aさんが、身長170cm、体重73kgの場合、BMI=73[kg] /(1.70[m]×1.70[m])=25.259…となり、肥満(1度)の判定になります。
    次に、Aさんの目標体重を計算してみます。目標体重は、下記の式より算出できます。
    目標体重[kg] = 目標BMI × 身長[m] × 身長[m]
    Aさんの目標BMIを、仮に標準BMIの22とした場合、目標体重[kg] = 22 × 1.70[m] × 1.70[m] = 63.58[kg]となり、Aさんは現状73kgから約10kg痩せると目標体重になることが分かります。

    しかし、体重だけでは判断できないこともあります。それは見た目の美しさ(引き締まった体かどうか)です。BMI値は身長と体重から計算された値になります。仮にBMI値が高くても、その人が脂肪過多なのか筋肉質なのか判断できません。脂肪は筋肉よりも軽い組織(細胞)だからです。痩せているように見えても体脂肪率が高い(BMI値は低いけれども体脂肪率が高い)場合は、いわゆる隠れ肥満の状態と言えます。

    理想的な引き締まった健康的な体を目指すためには、BMI値に加えて、体脂肪も適切な範囲でコントロールすることが重要なポイントになってきます。

  • 体脂肪とは?

    体脂肪とは、体に蓄えられる脂肪の総評です。体脂肪(脂肪)は食事からの摂取が主体となりますが、エネルギーの摂取量が消費量よりも多い場合(摂取量>消費量)に、体脂肪(脂肪)が多い(太る)という状態になります。 体脂肪(脂肪)は、体の中のどこに付くかで呼び方が違い、

    皮下につく「皮下脂肪」

    内臓周囲につく「内臓脂肪」

    筋肉の間につく「筋細胞外脂肪」

    に分けられます。 一般的によく知られているのは、洋ナシ体型になりやすい「皮下脂肪型肥満」と、リンゴ体型になりやすい「内臓脂肪型肥満」です。

    お腹の脂肪を気にしている女性

    皮下脂肪とは?

    皮下脂肪とは、皮膚の下に蓄積された脂肪のことで、体型が崩れる脂肪、皮膚の上からつまむことができる脂肪のことです。女性に多いのが特徴で、洋ナシ体型に見える下半身太りは、この皮下脂肪が原因になります。というのも、皮下脂肪の存在理由の一つは、女性の妊娠、出産、授乳時に備えての蓄えと考えられているためです。主にお腹やお尻、太もも、二の腕などに付きます。

    皮下脂肪は、生活習慣病とあまり関係が無いのですが、一度付くと落ちにくいという欠点があります。見た目の体型が崩れるだけでなく、この皮下脂肪が必要以上に増えると、腰痛なったり肩が痛くなったりと、その重みに耐えきれなくなった体の部位に痛みを引き起こす原因に繋がります。また、内臓を圧迫し、様々な弊害をもたらすこともあるため注意が必要です。
    一般的に、男性よりも女性の方が皮下脂肪を気にされている方が多いのではないでしょうか?美しいボディラインを保つためには、皮下脂肪の多さがネックになるためです。よく勘違いしてしまうのが、「痩せれば美しくなる」という考え方です。実は、美ボディを目指すためには、筋肉を増やし体脂肪を減らす必要があります。筋肉は脂肪よりも重いため、筋トレをすると体重が増えることもあります。つまり体重だけにこだわっていると誤ったダイエットをしてしまう、ということになりかねません。
    また、ダイエット(肥満(肥満症))においてカロリーを意識される方が多いと思いますが、人間の体は一日に必要なカロリーを摂取できないと、食事が取れなかった時のために体がエネルギーを蓄える(カロリーの消費を抑える)ようになり、代謝の悪い体になってしまいます。代謝が悪くなると、逆に痩せにくい体になるため、ダイエット(肥満(肥満症))が出来なくなることに繋がります。体全体がサイズダウンしてしまうことにもなり、特に40代以降で急激なダイエットをすると老け込んでいるように見えて、逆に貧相に見えるというデメリットもあります。また、偏った食事や極端に少ない食事はリバウンドの原因に繋がりますので注意が必要です。 美ボディを手に入れたいのなら、正しい知識と対策を取る必要があると言えます。

    内臓脂肪とは?

    内臓脂肪とは、内臓の周りに付く脂肪のことで、ポッコリとお腹が出て、リンゴのような丸い体型になるのが特徴です。昔は大人の男性に多いタイプの脂肪でしたが、最近は、若い男女・子どもにも増えています。隠れ肥満の原因とも言われています。内臓脂肪は短期間で付きやすく、落ちるのも早いという特徴があります。体重はあまり変わらないやせ型や普通体型の人でも、お腹(ウエスト)あたりが太くなったら要注意です。なぜなら、この内臓脂肪は、生活習慣病と深い関係がある脂肪だからです。

    筋細胞外脂肪(EMCL)とは?

    筋肉はターンオーバーを繰り返しており、使えば増えていきますが、使わないと衰えて劣化していきます。運動不足に陥ると、本来筋肉になるべき細胞がきちんと育たず、脂肪に類似したような形態になり、本来あるべき筋肉の張りや、機能を果たさなくなります。 こういった組織を「筋細胞外脂肪」という言い方をする場合があります。このような筋肉の状態だと、皮膚を底上げしている筋肉の張りがなくなりますので、仮に痩せていても、あまり美しいボディラインとは言えない、という状態になりかねません。そもそも運動不足が原因ですので、運動せずに食べ物だけのダイエットをするのではなく、筋肉の元となる栄養をきちんと取り、質の良い筋肉を育てることが筋細胞外脂肪(ECML)対策と言えます。